完熟胡椒を使ったちょっぴりスパイシーなファームハウスエール
<ひみつビール資料より>
ブラックペッパーでもホワイトペッパーでもないライプペッパー(完熟胡椒)を使ったファームハウスエールができました。
ライプペッパーってなんぞやと思われるかと思います。
普段僕たちがよく目にするブラックペッパーは未熟な胡椒を収穫したもの。
ホワイトペッパーは熟した胡椒を収穫し、果肉を取り去ったもの。
ライプペッパーは樹上で完熟させた胡椒を果肉が付いたまま乾燥させたものです。
今回ビールに使用したライプペッパーは三重県出身の倉田さん(クラタペッパー)がカンボジアで栽培しているものを使わせていただきました。
倉田さんの作るライプペッパーは一房に数粒のみを実らせた特大サイズの果実を樹上で完熟させることが特徴で、
胡椒なのに果肉部分が多くなることでしっかりと甘みと旨味があります。
Hand in Handでは倉田さんから今シーズン収穫したばかりのライプペッパーを送っていただきました。
届いたライプペッパーは一次発酵が終わったタンクに投入し、もう一度ビールと共にしっかり発酵させました。
果肉を発酵させることで甘みはレーズンのような甘酸っぱい芳醇な香りに変化し、
ペッパーの爽やかな柑橘様のアロマもビールにしっかりと溶け込んでいます。
ホップは柔らかな甘味がありグラッシーで少し柑橘系の香りがするものをチョイスしているので
ライプペッパーの良さを引き出してくれたと思います。
スペルト小麦もたっぷりと使用しているのでとろんとした豊かな口当たりも感じられます。
スペルト小麦特有の素朴でちょっぴりのスパイシーさ、ここに酵母のエステルとライプペッパーの甘く熟れた香りが混ざり合って
メロン系のバブルガムのような味わいを作り出しています。
派手さはないビールですが、いろんな食事にも合わせやすく、
単体でしっかり味わって飲むことでいろんな発見もあるそんなビールかなと思っています!
昨日はボロネーゼに合わせていただきましたがとても相性が良かったです。
他にもタコスやちょっぴりスパイシーな料理にもよくマッチしそうです。
ビールに胡椒を使っているので胡椒を使う料理全般にもおすすめです!
とてもお手軽なペアリングはカルビーの堅あげポテトかななんて思ったり(笑)。
このビール、口当たりや喉越しはとても柔らかいのですが、やはり胡椒を使っているので飲み終わりには口の中や喉、
お腹がいつもよりも少しあたたかくなるようなポワポワする感覚があります。
その辺りも楽しんでもらえたらと思います。
<ひみつビール 藪木さんより>
胡椒のビールという一風かわったビールですが、ファームハウス酵母も多彩な香りを出し、
その中でもスパイシーでペッパー様の香りを出すものもいます。
胡椒と酵母のエステルがマッチすると思い仕込み構想を練っていた時、
倉田さんと出会ってこれだと思う胡椒を紹介していただきました。
今回使った胡椒は完熟していて、乾燥してはいますが果肉が残っているので水(ビール)に浸すと発酵が始まります。
胡椒自体も発酵するライプペッパーは結果としてブラックペッパーやホワイトペッパーで仕込んだのとは
一味違う奥深い香味をビールに与えてくれました。
決してやりすぎてはいない胡椒の風味と刺激がファームハウスエールに華を添えてくれています。
品目 |
ビール |
スタイル |
dry-peppered farmhouse |
原料米 |
大麦麦芽(アメリカ製造)、小麦麦芽、ホップ、胡椒 |
度数 |
6度 |
製造元 |
ひみつビール|三重県伊勢市 |
賞味期限 |
2024.5 |