ビール大好きのナチュラルワイン屋が、繋いで造ったクラフトIPA!!
いつも自然派ワインでお世話になっておりますBMOの山田社長の情熱が繋げた第一作!
BMOの資料より、、、
話はン十年前に遡ります。
当時、大学生だった山田青年は、ドイツを放浪するのが大好きでした。
訪れる町々で異なる個性のビールにときめき、美味しさに驚きながら飲みまくる旅を何度も繰り返したものです。(笑)
そんな大学生活も終盤。就職活動で某大手ビールメーカーの面接時、こんな会話をやってしまいました(笑)
―学生山田 「ビールは、日本でも今後いろんな味スタイルが登場すると思います。(キリッ)」
―面接官 「いやいや。ビールは指定銘柄ですから、味には左右されないんですよ。(何いっとんじゃこの若造が)」
―学生山田 「海外では、モルトとホップだけで、たくさんのタイプが楽しめます。(本場ドイツを知らんのかッ、このおっちゃんは?)」
―面接官 「それは、日本では広がらないですよ。(ガキは困るなあ)」
―学生山田 「そんなことはないと思いますっ。(面接忘れて喧嘩ごし?w)」
こんな感じで、血気盛んな若い時からビール好き。
今ではさらにはまっています。海外のワイン蔵元へ皆さんをお連れした時のこと。
食事では、皆、最初からワインを飲むもんだと乾杯ビールを遠慮してるのに、
私だけ「ビア シル・ヴー・プレ」といってビックリされてました(笑)
こんな感じですから、かつて「ペールエール」が出回ってきた時には、
いよいよクラフトビール(昔は地ビールといった)が本物になってきたな!と大喜び。
本場イギリスの粗いエールが、綺麗なペールエールに代わっていった。
(ペールは淡いという意味)で、造り手毎のテイストは、個性いろいろ賑やか。
この個性がたまらなく好きで、出てくるブリュワリーを片っ端から制覇していったのです。
次に登場したのがご存知「IPA」。
インドへ運ぶ時に品質をキープするためホップを激増投入させた逸話のインディアPAですね。
IPAの登場で、蔵元の想い、キャラがさらに凄く際立ってきたわけです。
地味なヨーロッパ系と違って、アメリカ系の派手やかなホップ。
このホップの組み合わせ、投入タイミングで、かつてなかった『個性』が一気に華開いたわけですね。
面白くて仕方ない。かつての面接官が、今のビール百花繚乱を見たらどういうのだろう?と、思い出し笑いしたものです。(笑)
時代はさらに進み「Hazy」スタイルを始めて飲んだ時の衝撃。
まだ、ボトルで Hazy がなかった頃、アメリカ東海岸からTAPで持ち込まれたHazyを含んだ時の衝撃は、今でも明快に覚えています。
クラフトビール個性化の波は、次々とやって来ます。
今度は自由な発想満開のアッサンブラージュ!(ワイン用語で品種などのブレンド)
柑橘系、桃、いろんなフルーツがどんどん登場。果ては、出汁IPAなんてものまで(笑)
かつて、税制対策で編み出された発泡酒。副原料規定がありますが、今の発想満開クラフトビールは真逆の発想。
決して節税対策ではなく、さらに個性爆発したわけです。
「いつかオリジナルなクラフトビールを造りたい!」これはビール好きの本能(煩悩かな?)でした。
私が造りたかったスタイルは、旨味とコクがありながら、アルコールは決して高くない。
味の全てに無駄がなく、スイスイ飲めて緻密な果実感あるビール。
このプロジェクトを話すと「へえ、そんなのできるの?どのブリュワリーで造ってもらうつもりなの?」とよく聞かれた ものです。
実は、最初から三重県の伊勢角屋に決めていたのです。
「なぜ伊勢角屋なのですか?」理由は明快。
ブリュワリーを訪れた時、ブリューマスターのDさんへ私がいった一言が全てです。
「自分がずっと大好きだからです。」
伊勢のブリュワリーに初めて訪問したときも、社長みずから徹底解説。
人間教育から溶存酸素の測定まで、哲学と技術へ没頭する姿勢が、あの味わいに到達するのだな!とあらためて感動。
さて、ビールの設計です。「何か、果実をアッサンブラージュできないだろうか?」
私たちBMOには、全国に多くの仲間がいます。各地でナチュラルワインや自然な美味しいフードを売っている熱いメンバー。
彼らの地域の産物を使って個性を創造したい!と思っていました。
「俺が知ってる柚子はどうだろう?」提案がありました。(Sさんに感謝!)
宮崎の山奥。銀鏡に素晴らしい柚子があったのです。
柚子は日本固有&古来の柑橘。この10年、ヨーロッパのシェフたちが極めて注目し、料理に使いはじめている今や最注目柑橘です。
「柚子を溶かし込むんなら、果実香が元々強いHazyでは、香りが相殺される可能性がある。
だから伊勢角屋お得意のIPAをベースに工夫した方が良いに違いないっ!」
以降、醸造家や担当の皆さんと私たちの間で、いろんな意見が飛び交いました。
しかし、何をどうやっていけば良いか見えてこない。
ZOOM 会議や LINE グループで議論しましたが、一向に進まない時期が長かったのです。
詳しくは割愛しますが、美味しさと個性を目指すほど、越えるべきハードルが高くなっていきました。
本音をいうと、一時は諦めかけたこともありました。
しかし、素晴らしい柚子の発見が突破口になり、また伊勢角屋の担当皆さんの力によりゴールが開けてきたのです。(Hさんに感謝!)
仲間の柚子、大好きな凄腕伊勢角屋、関わる皆さんの情熱。美味しさと本物で繋いだ作品です。
記念すべき名前は「BONDS=繋ぐ」にしました。
東北大震災の時。心から日本を心配して「ワインで元気づけたいっ」と同志のワイン蔵元から7000本の応援ワインが届いた。
それを活用して全国で行なった支援イベントが「WINE BONDS(ワインで繋ぐ)」でした。
ここから、熱い想いで繋がった作品に心を込めて命名したのです。
ついに、目の前に完成品が現れました。そしてファーストテイスティング!「おーっ!!!」
仲間の柚子とクラフトビールで繋ぐから「YUZU IPA BONDS」。会心の第1作です!
肝心の味わいは、よくあるIPAのように、パンチが効いてて、ホップの苦味ドッカーーーンではなく、
きめ細かな薄い旨味、味わいが、ミルフィーユのように重なり合い、舌を転がっていく。
BMOが扱う自然派ワインのように、美しくのびのびとし、余韻もゆったりと長い。
柚子の香りも穏やかで薄め、お食事と合わせやすいと思います、新しいIPAですね!!美味しく楽しい一本!!
品目 | 発泡酒(麦芽使用率 94%) |
原料米 | 大麦麦芽(外国製造)、ホップ、宮崎県銀鏡(しろみ)の有機の柚子果皮 |
度数 | 6.5度 |
製造 | 伊勢角屋麦酒 |
監修 | BMO株式会社 |